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10月22日 阿久鯉独演会「祐天吉松」@須賀神社

★★★阿久鯉独演会「鯉のゆくえ」~『祐天吉松』を聴く会 (四谷・須賀神社 14時30分開演)

 大型台風が接近し、朝から雨が激しく降り風も徐々に強まる中での口演。前日に「明日は絶対に来るように!」と凄まれイヤイヤ来たとか、そんなことはゆめゆめありません!

●神田阿久鯉 祐天吉松 飛鳥山親子の出逢い~お源の身請け
 ◇本所・中之郷の三河屋万蔵に見込まれた吉松は養子になり、さらにお源という女房を迎える。お源の背中一面にオロチの彫り物がある。お源にとって吉松は父親の仇を討つ際助けてくれた恩ある男である。
 ある春の日、吉松はお源に勧められて一人で花見に出かける。来たのは王子の飛鳥山。見ると一人のかわらけ売りの子供が十数人の小僧から殴る蹴るといじめられている。事情を聴くと、この子は今日初めてかわらけ売りに来たが、山番への付け届けや仲間金を払っていないという。吉松はこの金を代わりに払う。いつまでも泣いているこの子を慰めようと、2人花見茶屋へ入る。子供は目の前に積まれたゆで卵をひとつ袂にそっと入れる。そんな卑しさに怒る吉松だが、子供から家にいる病身の母親に食べさせようと思ったと聞かさせる。身の上を詳しく聞くと、その母親とは自分のかつての女房であるおぬい、この子供は三歳の時に別れた我が子、七松であった。かつては本郷二丁目の加賀屋という裕福な商家であったが、家は放火されておぬいと七松以外は皆殺し。父親の吉松とは生き別れになり、家族も財産も何もかも失った母子は、今は下谷坂本で貧しく暮らしているという。吉松はゆで卵十個と十両を母親に渡すようにと託す。吉松は自身を「畳屋の松吉」と名乗る。2人は一緒に坂本の母子が暮らす家のすぐ傍まで来たところで、おぬいと顔を合わせてはまずいと吉松は去る。
 我が家に帰った吉松は、お源に今日の出来事、そして別れた先の妻子の事を話す。話を聞いてお源は泣く。悋気なぞでは無く、吉松の心の優しさに感じ入って泣いたという。
 翌朝、吉松が目を覚ますとお源がいない。吉松は本所・中之郷の三河屋万蔵の家に行き、口ではあんな事を言っていたがやはり実は悋気を起こして家を飛び出したのだろうと怒りをぶつける。お源はこの家に来ていた。昨日の吉松の話を聞き、このままでは先の妻であるおぬいさんへの義理が立たない。吉松は父親の仇を取ってくれた大恩人である。今から私は吉原へ身を売り金をこさえる。この金をおぬいさんに渡してくださいと言う。義理立てをしたいという、お源の志は通したほうが良いと吉松も万蔵もこれを受け入れる。100両という金で身を売ったお源は、浦琴と名乗り人気の花魁になるが、ここからまた騒動が起こる。
 <仲入り>
●神田阿久鯉 祐天吉松 岩田屋敷からの脱出
 ◇お源は浦琴という名で花魁になるが、これがたいそうな評判になる。浦琴をめぐって吉松と1200石取りの旗本である岩田七太夫との間で確執を生じる。吉松は岩田組から命を狙われる身となる。番町の岩田屋敷で旗本21人が集まり、どうやって吉松を殺そうか相談している所に、橘金五郎という元旗本であるという侍が訪れた。金五郎は七太夫のいとこであり2人は再会を喜んだ。金五郎は新しくできた岩田組に仕えたいという。岩田組は現在、吉松を討とうとしていると聞き、かつて吉松を斬り損ねてしまった金五郎にとっては願ったりである。
 日も暮れた頃、金五郎は向島の三囲(みめぐり)の土手下、吉松の家の傍に潜んでいる。そこへ幇間の一八がやって来る。浦琴花魁が病気で伏せていたが全快し、明日吉原で祝うので吉松にも来て欲しいと言う。一八が帰った後、吉松は一人で三囲の土手を凉みがてらに歩いていると、暗がりから金五郎が現れ吉松を襲うが、逆に金五郎を川の中へ投げ飛ばしてしまう。襲ったのが金五郎であると、この時の吉松には分からなかった。
 ずぶぬれの姿で岩田の屋敷へ戻った金五郎。明日浦琴花魁の全快の祝いがあるので、吉松は吉原へ向かう。その途中を襲おうと岩田組の連中は計略を企てる。
 翌日、吉松はかつての兄貴分である御旦那半次と連れ立って吉原土手まで来ると、半次は胴巻きを忘れてきてしまったので一旦戻るという。2人は大門で待ち合わせすることにして別れ、吉松は一人で吉原土手をブラリと歩いていると3人の酔った侍が向こうから来る。これをよけようとした吉松だが、侍の一人でぶつかってしまう。さては岩田組の連中だなと、両者闘いになるが、往来に張られた縄に足を取られた吉松は捕らえられ、グルグル巻きにされ、駕籠で番町の岩田の屋敷まで連れていかれる。松の木の枝にぶら下げられた吉松は、岩田組の連中からさんざんに叩かれる。その中に橘金五郎がいた。さては昨夜三囲の土手で襲ったのはこの金五郎だなと気づいたがもう遅い。全身に酒を吹きかけられると、夏の蚊がいっせいに吉松の身体に群がる。
 一方、御旦那半次は吉松の姿が見えないことを不審に思い吉原土手付近で周囲の人に聞き込むと、吉松は岩田組の連中に捕らえられ、番町の屋敷に連れていかれたことが分かる。吉松を助けるために、竹筒に火薬を詰めた物を7本こしらえる。四つの時分、半次と弟分の健次は家を出岩田の屋敷へ向かう。九つを過ぎた頃、健次はぶら下げられた吉松を助け出し、脇差を渡す。間もなく屋敷内に仕掛けておいた竹筒が物凄い勢いで爆発する。炎が燃え上がり岩田組の連中は狼狽する。岩田七太夫に襲い掛かったのが御旦那半次。肩口から斬り込み、さらに健次がスパっと首を討ち取った。吉松は橘金五郎を見つける。この勢いでは敵わぬと金五郎は逃げ出す。屋敷は燃え盛り、もうもうと立ち上がる煙の中ついには見失ってしまう。火消しと野次馬が集まり混乱する中、3人はこの場を駆け去り、浅草田町の半次の家でホッと一息つく。岩田屋敷に火を付けたかどで、吉松と健次はお尋ね者になる。しばらく半次の宅でかくまわれていると、吉松の義父の三河屋万蔵がやってきた。万蔵は吉松の舅の仇である橘金五郎がいったと思われる甲州行きを勧める。甲州で一・二という親分、長兵衛への紹介状、さらに路用の金として25両を渡す。こうして吉松と健次の2人は甲州へと旅立つのであった。
 (16時36分終了)

171022a阿久鯉@須賀神社


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