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10月5日 はなぶさ会@日本橋亭

★★★はなぶさ会(お江戸日本橋亭 12時40分開演)

●宝井琴屯 酒呑童子
●田辺凌天 義満と一休
●田辺いちか 溝口半之丞と幽霊
●宝井梅湯 関東七人男 身延の喧嘩
 ◇10月12日から13日に甲州・大野の町の本遠寺(ほんのんじ)開かれるお会式バクチ。ここは徳川家康の側室であるお万が建てた寺でお万バクチとも呼ばれている。役人も黙認し日中からおおっぴらに出来るバクチということで日本全国から親分衆が集まる。この日は大野の町にとってもかき入れ時で町の人々も張り切っており、雨が降らないように、喧嘩が起こらないようにと祈っている。
 藤岡圭介は元は所化の妙善という坊主で、上州一の暴れん坊と呼ばれる男。その身内で藤太郎というこれまた気の荒い男がいる。岩手の脚一という甲州の親分が開帳している賭場で、藤太郎は125両という大金を儲けるが祝儀をよこさない。藤太郎が素性を明かすと、この男は脚一の身内である雨笠の幸次をやり込めた上、目玉を繰り抜いたという者であった。甲州の連中たちは藤太郎を追うが、彼はばッと逃げ姿を消す。甲州の者は藤岡圭介の元を訪れ、藤太郎を引き渡すように求めるが圭介はこれを受け入れない。
 大野の町に出雲屋という旅籠があり、剣の達人、秋山陽介という侍と彼の弟子である赤尾村の林蔵という親分が用心棒として控えている。岩手の脚一と藤岡圭介の両方がそれぞれ助太刀を頼みに来るがこれを断る。大野の町では喧嘩が起こるということで人々が逃げまどっている。秋山陽介の計らいで林蔵は両者仲裁のため、甲州の者たちのいる大野の原を訪れる。林蔵は猪之松という者を先立って斬り殺したばかりであり、この猪之松の兄弟分が甲州の者の中に4名おり一触即発の状態になるがなんとかその場は収まる。林蔵は脚一と対面し、大野の町の人たちにとって大切な日なので喧嘩は止めるよう申し入れる。林蔵の誠心誠意の態度に感心した脚一。秋山陽介という誰もが一目置く先生が勧めることでもあるからと、藤太郎に甲州の者たちの前で両手をついて謝罪をさせるということで了解する。藤岡圭介の側も藤太郎に一切の手傷を負わせないことを条件に受け入れる。
 藤太郎はいやいやながら、秋山陽介に甲州の者たちのいる前へ連れて行かれる。ここで秋山は藤太郎の髷(まげ)を斬ると言い出す。当時の男たちにとっては髷は命の次に大切な物。話が違うという藤太郎。秋山は藤太郎の髷の先の少し出っ張った部分だけを刀で斬り落とす。髷を全部バッサリ斬ると思っていた甲州の者たちは唖然とする。とりあえずこれでこの一件は片付いた。
 祭礼は14、15日と延長された。林蔵は賭場を一軒任される。喧嘩を見事収めた立派な親分という事で評判は良く、林蔵は大金を手に入れる。こうして林蔵は赤尾村へと帰るのであった。

●神田山緑 塙保己一(はなわほきいち) 出世競べ
 ◇宝暦10年師走のこと。中山道の大宮宿で辰之助という者と芳太郎という者が出会う。辰之助は15歳。保己村の出身で7歳の時に目を失明。座頭、検校という位を貰いたく杖を突きながら江戸へと向かっている。芳太郎は16歳。叔父さんが偽金を使ったということで小伝馬町の牢屋に入れられ獄死。後に無実と分かるが、このことが元で公正な裁きのできる奉行になりたいと思っている。辰之助は芳太郎の世話を受けながら、共に江戸へ向かう。2人は出世競べをしようと話し別れた。
 辰之助は麹町に住む叔父の元を訪ねるが既に引っ越してしまっているという。雨も降り出し途方に暮れていると、一挺の駕籠とぶつかり怪我をする。駕籠の中の主人は手当てをすべく屋敷に連れて行く。この屋敷の殿様は内藤安芸守という2500石の旗本であり、事情を話すと辰之助の世話をいろいろとしてくれる。辰之助は四谷の網留検校の元に通い勉学に励み、教養を深めていく。
 やがて日本橋に一軒の家を借りここに住まいをする。ある日、山口屋善兵衛という者の家で施術をしていると、一人の使いが道を尋ねにやって来て、手紙に書いてある「サンズイ」に「吉」という字の場所を探しているという。そんな字は無いと思う辰之助だが、しばらく考えて「それは油町ではないか」と言う。どうして分かったか山口屋は尋ねる。手紙を書いたのは吉原のおそらくは花魁で、「油」という字が分からず他の者に聞くと「サンズイ」に「由(よし)」という字だという。これをその花魁は吉原の「吉」だと勘違いしたのだろうと辰之助は話す。山口屋は辰之助の知恵にすっかり感心する。
 辰之助の評判はますます上がり、勾当、検校と出世し、塙保己一と名を改める。水戸光圀の大日本史の編纂にも加わった。ある日、南町奉行の根岸肥後守からお察し紙が来る。奉行所から何の用だろうと思って出かける保己一。そこで現れたのは奉行は、保己一に年50石を遣わすという。声を聞いた保己一は、奉行がかつての芳太郎であると気づく。芳太郎も保己一がかつて大宮の辻堂で出会った辰之助であると分かった。2人は抱き合って涙ながらに30年ぶりの再会を喜ぶ。根岸肥後守は2500石取りとなり、奉行を17年間務め公正な裁きを行う。保己一は総検校という最も上の位になり、学者となってますます学問を深めていったという。

●田辺鶴遊 遠藤実 若き日
 <仲入り>
●はたのぼる 吹奏楽漫談
 ▽テレビでは子供の頃からよく拝見していましたが、目の前で実際に芸を見るのは初めて。90歳となった今でも、大変お元気でいらっしゃいました。
●田辺凌鶴 鼓ヶ滝
 (15時50分終了)

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