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9月2日 琴星一門会@日本橋亭、貞橘独演会@木馬亭

 先週の日曜日と同じパターンで、朝と夜は講談、昼間は近場の名所・史跡巡り

★★★朝の琴星一門会(9時32分開演 お江戸日本橋亭)

●宝井琴屯 井伊直人
●宝井琴柑 金色夜叉
 ▽許嫁の仲であった間貫一と鴫沢宮との別離を描いたあまりにも有名な話。以前は盛んに映画や芝居で上演されたそうだが、実は私は話の内容をあまり分かっておらず、「ダイヤモンドに目がくらんだか」という台詞と、銅像にもなっている貫一がお宮を蹴とばすシーンくらいしか頭に浮かばない。琴柑さんの今日の話は、恋敵である大富豪の息子、富山唯継(とみやまただつぐ)の指に燦然と光るダイヤモンドの描写、当時はまだ珍しかったワインの自慢話など、ステレオタイプ的な金持ちの厭味ったらしさが妙に可笑しかったです、
●宝井琴星 雪夜叉姫
 ◇平安時代の中頃の話。武蔵国の小鹿野村に住む、木樵の兄弟の茂作と巳之吉。仕事場に向かう際いつも渡し舟を使うが、ある日、舟が浅瀬に乗り上げてしまい動かせなくなってしまっている。渡し守を助けて舟を移動させる兄弟。
 ある冬の日の事、2人は仕事に出るが帰り道吹雪に遭ってしまう。なんとか渡し場までたどり着くが、渡し守が不在で向こう岸へ行けない。凍える2人は小屋に入って寒さをしのぐ。しばらくして平将門の娘であるという雪夜叉の霊が現れた。茂作はかつて将門の兵に加わっていたが、ある戦いの際、荒川川口で茂作の乗る舟が浅瀬に乗り上げ動かせななくなってしまい、兵を進めることが出来なくなった将門は戦に敗れた。これがケチの付き始めでやがて将門とその一族は滅亡する。これを恨んで雪夜叉は茂作の前に現れたのだ。雪夜叉が口から白い息を吹き出すと、茂作は全身が凍り付き死んでしまった。巳之吉には今日の出来事は誰にも他言はしないと約束させ、命は助ける。
 翌年、巳之吉はお雪という女性と出会い、やがて結ばれる。2人の間には3人の子供もでき家族幸せに暮らす。18年の歳月が経ち、ある夜、巳之吉は灯りに照らされたお雪の顔が、かつての雪夜叉によく似ている事に気づく。お雪に19年前の渡し場の小屋での出来事を話すと、お雪は「よくも喋ったな」と正体を現す。お雪こそがその日の雪夜叉であった。巳之吉を殺そうと思った夜叉姫だが、2人の間にはすでに3人の子供までいる。子供かわいさに巳之吉の命を助け、雪夜叉は天へと昇るのであった。
 ▽弟子の琴柑さんは「雪女」という話を演じ、今回の琴星先生の話と同じく小泉八雲原作の短編を元にしています。両者「脚色」がかなり異なり、全く違う話を聞いているような印象さえ持ちました。話者それぞれがストーリーを膨らませる作業の中でこういう違いが出てくるのか興味深いところです。
 (10時48分終了)


★★★貞橘独演会(浅草・木馬亭 17時54分開演)

●一龍斎貞奈 三方ヶ原軍記
●田辺凌天 矢取勘左衛門
●宝井琴柑 大久保彦左衛門 盥の登城
●一龍斎貞橘 ドラキュラ伯爵
 ▽正統な古典の講談を演じる事が多い貞橘先生が、夏場に演じる西洋を舞台とした季節物の怪談。貞橘先生の端正かつメリハリのある話しぶりはこういう古風な怪談にも良く似合う。視覚の面でも、音響の面でも、歌舞伎でいう「ケレン」を駆使し楽しませてもらいました。
●東家一太郎(曲師:美) 阿漕ヶ浦
 ▽のちに八代将軍となる吉宗が、まだ紀州藩で徳太郎という名の若様であった頃、傍若無人な振る舞いが絶えない。ある日、殺生禁断である伊勢の阿漕ヶ浦で漁師に網で魚を捕らせる。伊勢の山田で奉行をしていた大岡忠右衛門、のちの大岡忠相(越前)はこの紀州藩の若様を捕らえ、白洲で諭す。これが吉宗と越前の出会いであった。
●一龍斎貞橘 賤ヶ岳合戦 七本槍
 <仲入り>
●一龍斎貞橘 天保六花撰 雲州屋敷玄関先
 ▽上州屋という質屋の一人娘、八重は行儀見習いのため赤坂の雲州松平出羽守の元へ預けられる。八重を気に入った出羽守は妾になるよう持ち掛けるが、八重はこれを拒否。怒った出羽守は八重を座敷牢へ閉じ込めてしまう。上州屋の番頭からこの事を聞かされた河内山宗俊。八重を助けるべく、寛永寺の御門主の使いと偽って出羽守の屋敷に乗り込む。寛永寺の威光を使い、八重の救出と二百両の取得に成功したかと思ったところで、出羽守の家来・北見は、その人相から彼の正体が将軍家に出入りする茶坊主、河内山宗俊だと見破った。
 (20時28分終了)

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