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8月6日 朝練講談会@日本橋亭

★★★朝練講談会(お江戸日本橋亭 9時32分開演)

●一龍斎貞弥 番町皿屋敷
 旗本、青山播磨と腰元のお菊とは相思相愛の仲だが身分の違い故、なかなか結ばれることは無い。播磨の小石川の叔母は縁談を持ちかけるが、お菊を想う播磨は全く受ける気はなかった。青山家には先祖代々伝わる高麗焼の十枚組の皿がある。家宝であり1枚でも割ったらその者の命は無い。
 ある日のこと、水野様が来るのでこの皿を盛り付けに使うという。お菊は殿様が叔母さまから紹介された方を嫁に貰ったらどうしようと気がかりでしょうがない。十枚の皿を目の前にしたお菊は、殿様の本当のお心が知りたいと、1枚の皿を柱に打ち付け割ってしまう。割れた皿を家来の十太夫が見つけ慌てていると、播磨も部屋入ってくる。お菊は高麗の皿を割ってしまったことを播磨に告げるが、粗相なら仕方ないと播磨はこれを一旦は許す。割れた皿は井戸に投げ捨ててしまう。お菊には年老いた母親がいる。母親をこの屋敷に呼び寄せ、自分を婿にすれば良いと言ってお菊に求婚する播磨。
 そこへ十太夫が血相を変え部屋に駆け込んできた。お菊が皿を割ったのは粗相ではなくわざとであった。同じ腰元であるおせんが見ていたのだ。播磨はなぜ皿を割ったのかをお菊に問うと、殿様の本当の心を試そうと思った、皿が大事か自分が大事か試そうとしたと打ち明けた。これを聴いて激怒した播磨は、お菊を押さえつける。自分がお菊を想う気持ちは男の誠の心であるのに、その心を疑うお菊を断じて許せなかった。1枚、2枚、3枚…。播磨は残りの皿を1枚1枚お菊に取り出させ、それを刀の鍔で次々と割ってしまう。家来の権次はこれを止めようとするが、さてはお主はお菊に懸想しているなと彼を斬り殺してしまう。続いてお菊も斬り殺される。2人の死骸は井戸の中に投げ込まれた。
 夜、一生の恋が潰えたと酒をグイグイ飲む播磨。突然行燈の油が尽きて火が消える。1枚、2枚、3枚…、聞こえるのは恨めし気なお菊の声。迷って出たお菊の霊は播磨の顔を睨みつける。続いて権次の霊も現れる。狂ったように刀を振り回す播磨。やがれ疲れ果て播磨は倒れ込んだ。その後も毎夜、井戸からお菊が皿を数える声が聞こえたという。

●一龍斎貞橘 高野長英牢破り
 幕府の鎖国政策に異を唱え、開国を訴えていた高野長英は小伝馬町の牢に投獄される。牢に入って6年目になり、尊敬する渡辺崋山が腹を切って死んだとの情報を耳にする。なんとしてもこの牢獄から出て幕府の政策の誤りを世に知らしめなければならない。同房で盗人の栄蔵という男に揉み療治をしてもらっているが、彼は今月末にはこの牢から出られそうだと言う。長英は、自分が牢に入れられる直前、豪徳寺の境内に千両という金を埋めた。掘り出すにも境内は広いので自分でなければ埋めた場所は分からないであろうと栄蔵に言う。これは長英の計略であった。当時、火事が起きた場合、牢獄に火がまわりそうになると「決め放い」といって3日間の間に牢に戻ると罪一等が減じられるとのお達し付きで罪人たちは解放された。長英はこれを脱獄のための企てに使う。
 牢を出た栄蔵は早速、豪徳寺の境内を掘ってまわるが、広い境内を手あたり次第掘ってまわっても金は見つからない。果ては墓荒らしかと寺男に咎められ逃げ出してしまった。
 金を探すには、やはり長英から直接場所を聞き出すしかない。長英を脱獄させるために牢の近くで火事を起こそう、栄蔵は長英の目論見通りに考える。牢獄の近くに家を借りた栄蔵はせっせと木屑を集める。そして風の強い日、これに火を点けるとたちまち燃え広がり、小伝馬町の牢獄にも火の粉が降りかかる。決め放いということで長英も牢から解放される。まずは御徒町の門弟の所に行き、次に妻子の住む奥州水沢へと向かう。
 一方、栄蔵は豪徳寺で長英を待つが来るはずもない。あの火事で長英は死んでしまったかもと思う。また一人で寺の境内を掘ってまわるがまた先般の寺男に見つかる。事情を話すと「それならば」と2人で見つかるはずもない金をいつまでも掘って探し続ける。
 水沢に着いた長英は妻子と再会するとすぐに江戸に戻る。硫酸を使って顔を変え、三伯という名で青山にて医者を開くが、半年後には見つかり、庭先で自害をした。遺骸は塩漬けにされ首をさらされる。時代が変わって明治になり、高野長英は勤皇の士ということで再評価されるようになる。
 (10時30分終了)

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