記事一覧

8月3日 はなぶさ会@日本橋亭

★★★はなぶさ会(12時40分開演 お江戸日本橋亭)

●宝井琴屯 三方ヶ原軍記
●田辺凌天 鬼小島弥太郎使者
●田辺いちか 村越茂助左七文字の由来
●宝井梅湯 関東七人男 高萩の猪之松の最期
 高萩村の猪之松と赤尾村の林蔵はどちらも剣術にかけては免許皆伝の腕前。また、両者とも上尾の女郎屋・山城屋の板頭「おやま」に入れ込んでいる。おやまが惚れているのは猪之松の方で、ある日、店で猪之松と一緒にいる時に「秩父のお大尽が来ているから」と嘘を言って、訪ねて来た林蔵を追い返してしまう。このことを知り怒った林蔵は翌朝、帰り道の猪之松を待ち伏せして木剣試合を挑むが両者相打ちで引き分けのまま二人は分かれた。林蔵は子分2人と上尾に戻り、山城屋でおやまと乱痴気騒ぎをする。そこへ来たのが、林蔵の父親、磯五郎の子分の長蔵。親父さんが呼んでいるので家へ帰れと言う。林蔵のなわばりである権現山で猪之松が賭場を開いているという。その賭場で壺を振っていたのが赤尾の側の者である青田村の幸次で、それに怒った五助ら林蔵の子分が賭場に乗り込み、場を滅茶苦茶にして、幸次の指を詰めてしまった。これを聞かされた林蔵。確かに幸次のやっていたことは悪いが指を詰めるまでの事ではない。もしそれが本当なら死ぬまで幸次の面倒をみてやろう。
 事実を確かめようと林蔵は五助の家を訪ねるが留守で、母親がいた。今度は猪之松が原の笹山で賭場を開いていると聞かされる。原の笹山はやはり林蔵のなわばりでしかも一番目抜きの所だ。怒り心頭の林蔵は自分一人でも乗り込んでやろうと思う。林蔵の使う合羽を入手するため五助の母親は出かけ、林蔵は一人待つ。そこへ道を尋ねてやってきたのが「山城屋」の提灯を持った若い男。聞いてみると女郎の「おやま」からの手紙を届けに行くところで猪之松を探しているという。使いの男は話している相手が本人だともしらず、おやまはケチな林蔵に愛想を尽かし猪之松に乗り換えたとさんざんな事を言う。さらに江戸にいる「おやま」の叔母から身請けの相談があり、それを猪之松に伝えるために手紙を送ったと言う。
 五助の家を出た猪之松は原の笹山へ向かう。猪之松は笹山のふもとの専太郎という百姓の家にいると聞かされる。専太郎の家では、林蔵の子分の者どもが攻めてくるに違いないと自分の子分らに食べさせるおむすびを沢山作らせていた。林蔵はひとり家に乗り込み、猪之松に斬りかかった。最初は額を、そして肩口から腹を斬ると猪之松は倒れ絶命した。
 林蔵は、坂戸の源右衛門の家を訪ね、この間の碁の続きをしたいという。源右衛門に猪之松を殺したことを告白し、そして心残りのないよう今夜碁を打ちに来たと言う。猪之松を殺したからには、少なくとも2、3年はこの地にいることは出来ない。源右衛門は林蔵に十両の金を渡す。林蔵は2人の子分を連れて旅に出るのであった。
●田辺凌鶴 蘇生奇談
 <仲入り>
●トリトン海野 ラッパ漫談
●神田山緑 妲妃のお百 お峰殺し
 大坂の廻船問屋、徳兵衛はお百という女のために財産を使い果たしてしまう。2人は江戸へ出るが、お百は徳兵衛の元から逃げ出してしまった。今、お百は深川の美濃屋の売れっ子芸者である。
 ある日、お百が家にいる時に突然現れたのが徳兵衛。金策をしている間にお百が消えてしまった事を怒り、出刃包丁でお百を斬りつけようとする。お百はなんとかなだめ、木更津に知り合いがいるので、今夜2人で夜逃げをしようと言う。徳兵衛が酒を飲んでいる間にお百は二階に上がり、大きな荷物を持って降りてくる。金目の物をまとめてきたから道中これを売りながら金を拵えようと言う。荷物を背負う徳兵衛。これが大変に重くよろける。
 夜2人で家を出る。お百のあとを重い荷物を背負いながらヨロヨロと付いていく徳兵衛。真夜中、十万坪と呼ばれる底なし沼の元で2人は一休みする。前かがみになった徳兵衛をお百は後ろから突いた。底なし沼に落ちた徳兵衛。さらにお百は六尺で徳兵衛の眉間を突き刺す。「お前の背負っている物は沢庵石だよ」お百が高らかに笑っているうちに徳兵衛は沼に沈んだ。徳兵衛の沈んだ場所から火の玉が浮かぶ。お百は平気な顔をしながら「これは提灯代わりになる。お前は死んでも私に惚れているんだね」とせせら笑うのであった。
 深川に戻ったお百はしゃあしゃあと暮らしている。ある日、表より三味の音が聞こえる。興味を持ったお百は、女中のおきんに言いつけて弾いている者を家の中に入れる。入ってきたのはお峰という50歳くらいの女と、およしという12~13歳の娘。女中のおきんはお峰を知っていた。お峰は三味線弾きの名手であったが、目が不自由になってしまう。春日部の醤油問屋に嫁ぐが間もなく旦那が死んでしまい家から追い出されてしまった。その後娘と2人で三味線を弾きながら方々を渡り歩いているという。お百はこの2人を家の二階で生活させることにする。
 しばらく経って、お百から目の名医を紹介されたお峰は女中のおきんと共に向島へと出かける。2、3日して、お峰を訪ねて金貸しの金兵衛という男がやってくる。50両の借金の催促であった。お峰は向島へ行っていると言うと「それは困りますよ」という金兵衛。何かあった時にはおよしを女中にでもなんにでも使ってくれと言い使っていたお百は、「金兵衛の家に2、3日の間行ってておくれ。その間に金は工面するから」とおよしに言う。金兵衛に連れられておよしは家を出て行った。夕方、金兵衛はお百の家へ来る。「130両で売れました」。実はお百と金兵衛はグルで、およしを遊郭へと売り飛ばしてしまった。金兵衛の取り分が30両、そしてお百は100両という大金を得る。
 10日ほど経ち、治療の甲斐があって少し目が見えるようになったお峰が帰って来た。お峰はおよしに会いたいと言うが、「お花という仲良しの子の家にいるから」とお百はごまかす。しかし何日経ってもおよしは現れない。またお百はお峰にろくに食事を与えない。やがて、お峰はやせ細り髪の毛は真っ白で化物みたいな姿になる。いつまで経っても「およしに会いたい」とうるさく言うお峰をお百は殴る蹴ると虐げる。
 ある時、秋田小僧重吉という者がやってきた。お百は重吉に事情を話し、10両の金でお峰の殺害を依頼する。重吉はお花の家の番頭だと偽り、およしに会わせるからと言ってお峰を連れ出す。重吉とお峰は駕籠に乗り、向島の真っ暗な葭が茂っている原で降り立った。重吉は本当の事をばらし、アイクチでお峰の腹を突き刺す。なかなか死なないと今度は帯を首に巻き付けて絞め殺す。お峰の死骸に石を括り付けて隅田川に放り込む。
 重吉は駕籠に乗り吉原へ向かうが、どういうわけかなかなかたどり着かない。婆さんの霊が付いて回り、駕籠の進む方向を迷わせている。駕籠を飛び出した重吉は、走って吉原へ逃げ込む。遊郭で重吉の相手をしたのは、因縁の娘、およしであった。
(15時35分終了)

講談の情報ページ『講談るうむ』はここをクリック


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント