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7月30日 朝練講談会、日本講談協会定席@広小路亭

★★★朝練講談会(9時32分開演 お江戸日本橋亭)

●一龍斎貞鏡 左甚五郎 水呑みの龍
●旭堂南左衛門 賤ヶ岳の合戦
 (10時37分終了)


★★★日本講談協会定席(12時25分開演 上野広小路亭)

 今日は先日亡くなった神田紅葉先生の告別式だということで、演者の皆さんもやりにくそうでした。前座の紅佳さんはお葬式のお手伝いのため休演。

●神田桜子 秋色桜(前半)
●神田みのり 寛永宮本武蔵伝 玄達と宮内
●神田松之丞 日本名刀伝 正宗の婿選び
 相州鎌倉の刀鍛冶の名人、正宗には多くの弟子がいる。正宗には「たがね」という娘がいた。政近、貞宗、村正と3人の優れた弟子がいるが、一番良い刀を作ったものを娘の婿として、この相州流を継がせようと正宗は考えた。
 小川の上流からワラを5~6本流し、その下流で刀を水に付け切れ味を試す。まず政近の刀ではワラが刀に絡みつき全く切れなかった。次に貞宗の刀で試すと最初のうちは切れないが、気合を入れてみるとワラは切れた。最後に村正の刀では刃に付くか付かないかというところでワラは切れてしまった。切れ味では村正の刀が一番であるが、真の名刀とは斬るのが目的ではない。小にしては一身を守り、大にしては天下国家を守る。正宗が後継に選んだのは貞宗であった。自分の方が腕は優れていると怒った村正は姿を消した。その後、妖刀村正と呼ばれ、人を無性に斬りたくなる、人に害を為す刀として全国に知れ渡るようになる。
●神田鯉栄 鉄砲のお熊
●神田松鯉 五平菩薩
 奥州白河の近くに泉村という村がある。名の通り綺麗な水に恵まれた村であったが、天明年間の浅間山の大爆発により水脈が変わり、水がまったく出なくなる。これでは飯が食えないと村民は次々と村を逃げ出し、今ではわずかの者しか村に残っていない。
 井戸掘りの五作は苦心して水を掘り当てようとするが、中気になり寝たきりになってしまった。息子の五平は五作の看病をしながら仕事をする。村の和尚、玄誉は喉が渇いて経も読めない。五平がいない間に五作の家に忍び込んで、枕元にある大切な水を飲んでしまう。水をくれといいながら五作は死んでしまった。
 生き仏とも呼ばれた玄誉和尚は、悔恨の情から自分の罪を五平に告白し詫びる。父親の遺志を継ぎ、五平は村のあちこちに井戸を掘るがやはり水は出なかった。村の庄屋、三郎兵衛にはお露という18歳の娘がいた。井戸を掘るためには錐(きり)が必要だがもうこれを買う金が無い。お露は身の回りの物を売って金を工面するがやはり水は出ない。
 あと5本錐を買ってそれでも水が出なければ死んでしまおうと五平は言う。玄誉和尚は寺の寺宝を売って金を拵え、五平は父親の墓の隣を掘る。名主・三郎兵衛は村を捨てる決意をするが、お露は残って五平の手助けをしたい。お露は父親から逃げ、寺の玄誉和尚にかくまってくれるよう頼む。お露は身を隠すが、そこで三郎兵衛が現れ、娘をどこに隠したと、和尚の首をつかむ。その時、五平が掘っている井戸から冷たい水がコンコンと湧き出た。
 水が出たことを鐘を打ち鳴らして伝えると、村の者たちが戻って来た。さらに井戸を掘ると村のあちこちから水が出る。この話を聞き付けた白河藩の楽翁公は五平に七ヶ村の総束ねの役目を与えた。五平とお露は夫婦になる。感謝する村の者たちにより五平の木像が彫られ、この像は今でも村の寺に大切に安置されている。
 <仲入り>
●神田愛山 河村瑞賢 お盆の金もうけ
●神田阿久鯉 祐天吉松 合縁奇縁
 本郷二丁目の加賀屋という大店。主の七兵衛は一代で3万両という財産を築いた。七兵衛には「おぬい」という娘がおり、これが「本郷小町」と呼ばれる大変な美女。このおぬいが最近ブラブラ病で床に着いたきり。さては恋煩いか。
 ある日、神田佐久間町の経師屋、茂助に依頼した山王様のお祭りの絵巻物が完成し店に届いた。これを明日佐竹様にお納めする。その前にと七兵衛は絵巻物を娘に見せるが正気を失っているおぬいはこれに簪(かんざし)を突き刺し、2箇所穴をあけてしまった。青ざめる店の者一同。店の若い者は茂助の元に飛んで走るが、茂助は留守である。頭を抱える七兵衛。すると店の前で様子を伺っている25~26歳のキリッとしたいい男がいる。茂助の家から替りで来た者でやはり経師の職人だという。店の者は、とりあえず直せるかどうか見立ててもらおうと店の奥に案内する。
 男はおぬいの寝ている部屋の前を通った時ハッとした。この男は吉松といい、かつて仲間と2人で両国界隈で巾着切りの盗人をしていた。ある日、両国回向院である娘から簪(かんざし)を盗もうとすると、お付きの婆やに捕らえられた。娘は泥棒などもう止めなさいと5両2分の金を紙に包んで渡した。吉松は堅気になろうと決意し、昔の仕事である経師の職人に戻った。この時の娘こそおぬいである。また、おぬいが恋煩いしている相手こそこの吉松であった。
 吉松は仕事に取り掛かった。見事な出来栄えで繕った物とは思えない。七兵衛は酒を勧めるが飲まないまま、手間代は茂助親方に払って下さいと言って帰ってしまった。
 部屋で寝ていたおぬいも、また吉松の顔を見て気付いていた。今来た職人が娘のブラブラ病の因となった男で、しかも以前は盗人であったと七兵衛は知らされる。あの人と添えないなら死んでしまいたいとおぬいは言う。
 そこへ茂助が加賀屋を訪れる。吉松を娘の婿に迎えたいと言う七兵衛。自宅へ戻った茂助は吉松に3万両の身代の店の養子になれると勧めるが、自分は元は盗人だからと吉松は断る。しかしかえって莫大な財産に目もくれない事を気に入られ、ついには吉松も渋々同意する。やがて結ばれた吉松とおぬい。七松という子供も生まれた。
 しかし幸福は続かなかった。昔の盗人仲間の立花金五郎は吉松をゆすり、これから波乱万丈の物語の幕開けとなる。

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