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9月6日 講談はなぶさ会(主任:鶴遊)

★★★講談はなぶさ会(お江戸日本橋亭 12時40分開演)

●田辺凌天 加藤清正 屏風の使者
●田辺いちか 羽子板娘
●宝井梅湯 青山主膳 吉田御殿拝領
●神田山緑 鍋島猫騒動 佐賀の夜桜
●田辺凌鶴 赤穂義士銘々伝 赤垣源蔵 徳利の別れ
 <仲入り>
●ハッピーマウス KAZU
 ▽太っちょのオジサンと数え年90歳になるというお婆ちゃん、ヒロちゃんが登場。腹話術、歌と踊り、マジック。
●田辺鶴遊 遠山政談外伝 南鶴番所の由来
 ◇三代目田辺南鶴(なんかく)は本名、服部某という尾張藩の侍であった。ある時、武士の身分を捨て、江戸に出て講釈師になるが、30歳になっても前講を務めうだつが上がらない。そのうちに自暴自棄になり喧嘩を吹っ掛けたり、酒やバクチに現を抜かす毎日である。
 4月のある日、小石川伝通院の前に稲荷蕎麦というソバ屋があり、南鶴は昼間から酒を一杯やっている。そこへ2人の若侍が入ってくる。一人は本多源蔵、もう一人は堀江徳七というという旗本の倅である。本多は堀江に向かって、遊芸の師匠である「お民」を腕づくでも物にしようと話し、一方堀江はもし成功したら20両の金をあげようと応える。これを傍から南鶴は聞いていたが、武士の風上にもおけない奴だと腹立たしく思う。「お民には亭主がいる、それは私だ」と2人の前で南鶴は言い放つ。お民に夫がいるとは2人は聞いたことがない。ならばお民の前で亭主面をしてみろと2人は言う。
 南鶴と侍2人はお民の家へと向かうことになったが、南鶴はお民の顔を知らない。もちろん家がどこであるかも知らない。侍に連れられるような形で、お民の自宅を訪れ、格子戸に手を掛けようとする。すると向こう側の方から戸が開き、「まあ、お前さん、お帰りなさい」と年頃二十六・七の色気のある女が語り掛ける。この女こそがお民である。お民は南鶴が自分の亭主であることを侍に話すと、侍は悔しそうな顔をして家を去る。南鶴にはどういうことだか、さっぱり分からない。お民が語るには、今しがた稲荷蕎麦の主である佐兵衛がこの家の裏口から入って来た。佐兵衛は蕎麦屋での侍2人と南鶴のやり取りを説明し、彼らがまもなくこの家を訪れてくると言う。かねてから、お民は本多のしつこさに迷惑していた。そこで話をうまく合わせ本当に南鶴が自分の亭主であるかのように振舞ったのだった。
 すると格子戸がガラッと開き、本多と堀江と再び入ってくる。2人が近所で聞いて回ったところお民には亭主などいないと言う。どういうことだと責め寄る2人にお民は、「あなたなんか御免被る」と言い放つ。プンプンと怒って侍2人は帰っていった。
 南鶴とお民、2人が改めて顔を見合わせ話してみると、互いになかなか好みである。うだつの上がらない講釈師で生涯人気が出ないかも知れないが、酒もバクチも喧嘩も止め、懸命に稽古する。一緒に苦労しないか。「きっと出世してください」こうお民は返し、2人はめでたく結ばれた。
 2人は神田猿楽町に居を移す。南鶴は講釈の稽古に励み、メキメキとその腕を上げて、真打までもう少しというところまで来る。
 ある年末のこと、一席を終えた南鶴が暗闇の中、御物見下という場所を歩いていると、突然彼に斬りかかろうという者2名が現われる。天下の御記録読みである南鶴は常に脇差を一本手挟んでいる。また、元は侍であった彼は神明一刀流・免許皆伝の腕前を持つ。あの時の馬鹿な侍であるかと思いながら、南鶴は一人、また一人とバッサリと斬る。近づいてみるとやはり、本多、堀江の両名であった。猿楽町の自宅へ戻りお民にこの話をする。やむを得ない事情であったがなんとも後味が悪い。
 南鶴は翌朝、北町奉行所へ自訴する。講釈師風情に旗本の倅が返り討ちになったとは恥辱であるから厳重に処せというのが、世の旗本の大勢の意見である。この訴えを受け付けたのは名奉行と名高い、遠山左衛門尉(とおやまさえもんのじょう)であった。遠山左衛門尉はお白州に座った南鶴に対し、追剥に襲われ致し方なくこの者たちを斬ったであろうと問う。斬ったのは追剥ではなく旗本の倅であると南鶴は答えるが、その者らは病死したとの連絡が来ていると左衛門尉は言う。襲ってきた追剥を斬ったのであれば罪は無い。結局、南鶴へのお咎めはなかった。
 ここで南鶴は左衛門尉に2つの願い事をする。1つは左衛門尉の裁きを講釈のネタに使いたい。今ひとつは夜、御物見下が暗く、賊や追剥が出やすいのをなんとかして欲しいという頼みであった。遠山左衛門尉はこれを引き受けた。南鶴は『遠山政談』という読物を作り、ますます人気が出て真打昇進が決まる。また御物見下には番所が設けられ、人はこれを『南鶴番所』と呼んだという。
 (15時41分終了)

180906aはなぶさ会@日本橋亭


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