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8月28日 三商講談会(主任:貞弥)

★★★三商講談会(17時44分開演 清澄庭園・涼亭)

●田辺いちか 仙台の鬼夫婦
●宝井梅湯 吉田御殿 青山主膳の御殿拝領
 <仲入り>
●一龍斎貞弥 豊志賀の怨念
 ◇江戸は根津七軒町に住む、豊本の師匠・豊志賀は37歳。男嫌いが売り物で、男の弟子からも女の弟子からも評判が良く繁盛している。その豊志賀の大勢に弟子のなかで21歳になる新吉がいる。ある嵐の晩、豊志賀は自宅にこの新吉を泊めたことからついつい2人は深い仲になる。親子ほどに年が離れた2人だが、豊志賀は新吉が可愛くてたまらない。いつしか2人は一緒に暮らすようになる。豊志賀の父親は皆川宗悦といって按摩の金貸しであったが、今から20年前、豊志賀が17歳の時に深見新左衛門という旗本に殺される。その殺した新左衛門の倅が新吉で、当時まだ生まれたばかりであった。
 2人の関係が深まるにつれて、男の弟子も女の弟子もどんどん辞めていく。そのなかで小間物屋の羽生屋の娘、お久は相変わらず稽古に通う。新吉、お久はお互いに顔を見てニッコリ笑う。こんなお久に豊志賀はヤキモチを焼くようになる。それから豊志賀は稽古に来るお久に対して辛くあたる。それでもお久は稽古を辞めず、豊志賀のヤキモチはますます深まり、新吉と痴話喧嘩することも増える。
 やがて豊志賀の目の下にニキビのようなデキモノがブツっとでき、ズキズキと痛む。それがどんどん膨れ上がり、半月も経つと顔の半面に紫色に広がっていく。一方の目が腫れふさがり、櫛ですくと髪を毛が次々と抜け落ちる。痛みも激しくなって食べ物が喉を通らなくなり、どっと病の床に就く。新吉は薬を与え甲斐甲斐しく看病するが、豊志賀は次第に新吉に対する恨み言をいうようになる。「新さん。前が私を捨ててお久と一緒になったら、私はお前を取り殺すよ」。こんなことを毎晩毎晩繰り返し言う。新吉は気味が悪くてしょうがない。大門町に住む叔父の勘蔵に相談して、下総の叔母のところへ逃げようかと考えるようになる。
 ある晩、豊志賀が寝たのを見計らって、新吉は外へ逃げ出す。そこでちょうど提灯をさげたお久と出会った。2人寿司屋の座敷へ入る。お久は義理の母親から辛い仕打ちを受けている。いっそのこと下総の羽生村の叔父さんの家へ逃げたいと思っているのだが、女ひとりでは叶わぬことだと話す。「一緒に逃げよう」、新吉は言う。これを聞いたお久の顔が突然半面紫色になり「新さん、あなたはなんと不実な…」と言って新吉の胸倉をぐっと掴む。新吉は慌てて寿司屋を飛び出し、叔父の勘蔵の家へと逃げ込む。
 勘蔵は、新吉がいないことに気付いた豊志賀が駕籠でここに来ていると言う。障子を開けて、新吉と豊志賀は対面する。豊志賀は物凄い形相で新吉を見つめる。身体が治ったら新吉には好きな嫁を貰わせるので、もう少し一緒にいて欲しいと言う。豊志賀に帰って貰うため勘蔵は駕籠を呼ぶ。新吉は豊志賀を抱いて駕籠の中に入れる。
 その時、勘蔵の家の戸を叩く音がする。長屋の衆が新吉を訪ねてきた。豊志賀が死んだと言う。ウーンウーンと唸りながら所へ水を飲みにいくところで、転んで流しの角に顔をぶつけ、右の目が飛び出していると言う。そんな馬鹿なことがあるか。現に豊志賀はここに来ているではないか。勘蔵が駕籠の引き戸を開けると、そこには豊志賀はいない。先ほどここにいたのは豊志賀の幽霊だ。
 新吉、勘蔵ら3人は根津七軒町の長屋へと向かう。豊志賀の布団の間には書置きがあり、「お前のような不人情な奴はない。私はお前を呪って死ぬ。お前が女房を持ったならば7人までは取り殺すからそう思え」こう書いてある。その晩に通夜、翌日弔いに出す。
 8月26日、勘蔵に連れられて新吉は墓参りに行き、ここでお久と出会う。新吉はお久と駆け落ちし江戸を離れて下総国へと向かう。松戸の宿で初めて2人枕を交わし、翌日の真夜中、累ヶ淵と言われる鬼怒川の土手に辿り着く。雨がポツリポツリと降り出し、稲光が光る。お久は怖がり新吉に抱き着く。お久が土手の上からツルツルと滑り、草刈鎌が膝の上にブスリと刺さる。新吉は手拭でお久の足を縛り、負ぶって歩く。「あなたが私を見捨てるのが心配でなりませんわ」背中のお久は新吉に語り掛ける。新吉がお久の顔を見ると、死んだ豊志賀にそっくり。新吉は手に持っていた鎌を振り回し、お久の喉元をブッスリと刺す。お久はそのまま絶命した。新吉は慌てて逃げるが、激しい雷鳴と雨が降る。傍らの茂みでガサガサと音がして豊志賀の顔が浮かぶ。「豊志賀、迷ったな!」。さて恐ろしき、執念じゃな。
 (19時21分終了)

180828d三商講談会@清澄庭園


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