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8月14日 五日連続読みの会(すず、真紅、凌天)

★★★五日連続読みの会(10時01分開演 日暮里サニーホール・コンサートサロン)

●田辺凌天 山内一豊の妻
●神田真紅 南総里見発見伝(一)犬塚信乃
●神田すず 相馬大作(四)伊達の三次(さんじ)
 ◇秋田藩内の神宮寺川で津軽越中守の殺害に成功した相馬大作。津軽藩の追手を逃れずっと南下し、今は奥州伊達郡小坂峠にいる。草むらのなかの横穴に菰を敷いて籠っている。4月下旬で北国にも遅い春が訪れ、表を覗いてみると山桜の花が咲いている。「大名も乞食も同じ桜かな」大作はここで一句読む。すると三十恰好の一人の男が現われる。口元の締まった色黒のいい男である。男が語るにはこの土地では年寄りが発句の運座を催しているのだが、点取りする人間を探しているという。乞食の方が気楽だからと大作は断るが、そうすると男は「津軽家の家来でもあなたが相馬大作とは思わないであろう」と言う。驚いた大作。なぜこの男は自分の正体を知っているのか。聞くと大作はこの男の命の恩人であると言う。4年前、江戸・本所緑町で津軽藩の屋敷に仕えていた時、この男は袋叩きにされ隅田川に投げ込まれて殺されようという所を大作は救ってくれた。それから医者にも診せてくれ、身体の具合が良くなると路用の金まで恵んでくれたと言う。男は伊達の三次といって今は近くの神崎村に住み、子分の60~70人もいようという親分である。三次はいつでも自分の元に来てくれと、大作に告げる。
 それから2日経って、三次の元を俳諧師の風体をした大作が現われる。江戸・愛宕下に住む俳諧の宗匠で寝惚庵夢中(ねぼけあんむちゅう)と名乗り、三次の元でしばらく世話を受けることにする。
 神崎村の目の前には阿武隈川が流れているが、この対岸は松前志摩守様のご領地で梁川(やながわ)という場所である。ここには直右衛門(なおえもん)というバクチ打ちと十手持ちを兼ねた男がいる。最近、三次はメキメキと男を売り出しており、直右衛門にはこれが気に食わない。いつか三次を亡き者にしようと考えている。
 直右衛門の元には江戸から来た平吉という髪結の男がいる。この平吉がバクチで直右衛門の金5両を使いこみ、三次の元に逃げる。川向うでは平吉のことを匿っている。三次の元に直右衛門から果たし状が届いた。時は明日、5月24日の朝七ツ、今の時間でいう早朝4時。場所は阿武隈川の河原。相手は200から300人はいるというが、こちらは65人しかいないと言う。これを聞いた宗匠の大作は果し合いの軍師の役を引き受けるという。
 夜八ツ、今でいう午前2時に三次の一家は先に阿武隈川の河原に集結する。篝火(かがりび)を焚いている対岸では、相手は300人以上もいるだろうか。下駄を履いた大作は船橋を渡って1人対岸へと渡る。下駄を鳴らしながら攻め込む者もいなかろう。自分はカタギの者だというと直右衛門との対面が叶う。大作は言う。毎月4の付く日は梁川で市(いち)が立つ日であるのだが、ここで果し合いをしては神崎村の者は市には行けない。果し合いの時刻は夕七ツにしてくれないか。直右衛門はこれを受け入れた。大作は船橋を渡って神崎村の側へと帰る。すると、目明しの三原屋甚兵衛、唐木屋藤作という2人が現われる。三次を引き立てたのはこの2人で、三次は彼らに頭が上がらない。2人が船橋を渡って梁川の側へ行くと、直右衛門に対してこの喧嘩は俺たちに預けろと言う。直右衛門もこの2人には逆らえない立場にある。また、ここで直ちに仲直りをしては、直次郎の顔が潰される。直次郎1人で神崎村の側へ行って、三次と盃を交わして度胸を示せと2人の目明しは言う。その通り直右衛門は1人船橋を渡って、ムシロに座り、三次と盃を取り交わし手打ちにする。直右衛門は船橋を渡って帰っていく。
 この様子をたくさんの百姓の者たちが見ていた。ふつうは負けた方が勝った方の陣地に乗り込むものだ。ムシロの上にひとり座らされた直右衛門は負けたのだ、百姓たちは噂をしあう。これは迂闊だったと思う直右衛門。しかし再度果し合いをするわけにはいかない。三次の旧悪を見つけ出し遠島にでもしてしまおうと、手下の者を使って探らせる。その中で相馬大作が津軽の殿様の暗殺を企てている尋ね者であることが露見する。大作を匿っていた三次も神崎村にはいられない。大作と三次は下総国の八日市場まで逃れるが、ここでも大作がただ者ではないと見破られてしまう。三次も隠し通すことができず、世話になっている主に相馬大作というお尋ね者であることを打ち明ける。これから大作はひとり江戸へと向かうが、その話はまた次回。

180814aすず・相馬大作@日暮里


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