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4月10日 三商講談会(主任:鯉栄)@清澄庭園

★★★三商講談会(清澄庭園・涼亭 17時50分開演)

●田辺凌天 三十三間堂 誉れの通し矢
●一龍斎貞弥 高野山物語
 ◇今から850年前の平安時代の話。加藤繁氏(しげうじ)は筑前博多の守護職で、桂子(かつらこ)という奥方がいる。ある日、領内見回りの際の途中で突然激しい雨が降ってくる。一軒のあばら家に入ると、そこには千里という美しい姫君と、姫のかつての父親の忠臣で朽木祐保(くちきすけやす)という者がいた。姫君の美しさに心を奪われた繁氏は、度々この家を訪れ、千里とはいつしか割りない仲になる。千里は繁氏の住む刈萱(かるかや)の邸宅に迎えられ、やがて懐妊する。これに奥方が激しく嫉妬し、暗殺をするようハヤタリに命じる。しかしハヤタリは千里を前に刀を抜かず、この邸を立ち去って無事に子を産んでくれるよう進言する。すると自分の首を奥方の前に差し出して貰いたいと、祐保は自ら切腹しハヤタリがこれを介錯する。また千里の腰元の呉羽が自分を姫君の身代わりにしてくださいと言い、自らの喉に刀を差し息絶える。
 自らの罪深さを悟った繁氏は筑前を去り紀州・高野山へと出家する。また千里は伯耆国・大山寺(だいせんじ)で無事元気な男の子を出産する。この子は石童丸と名付けられた。寺の住職から教育を受けながら、石童丸は大変に利発な子として育つ。
 14歳の時、石童丸は父親に会いに行きたいと言う。風の便りに繁氏が出家していたことを知っていた千里と石童丸の母子は高野山を目指す。目前まで来たところで、女人禁制との理由で高野山の麓の旅籠で母親・千里は1人待つことになる。長い旅路の間、千里は病に罹り寝込んでいる。石童丸は幾度も高野山に通ううちに奥の院でついに今は僧侶で刈萱道心となっている繁氏と出会う。しかし顔を知らない石童丸には彼が父親だとは分からない。一方、繁氏は石童丸の話からこれこそ我が子と知るのであった。だが繁氏は出家した身であるからと自分が父親であるとは明かさない。繁氏は「お前さんの父親は2月前に死んだ」と偽りを言って無縁仏の墓を参拝させ、石童丸に食事をさせてから母親の元へ帰す。山を降り旅籠へ戻ると母親の千里はたった今、病のため亡くなったところであった。母親の手をしっかり握りながら涙する石童丸。
 これから石童丸は刈萱道心の弟子となり、師匠が自分の父親であるとも知らないまま仏道修行に励んで、後には立派な僧侶になったという。高野山・蓮華谷にはこの親子の徳を偲んでいまも刈萱堂と呼ばれる庵が結ばれている。
<仲入り>
●神田鯉栄 寛永宮本武蔵伝 甕割典膳(かめわりてんぜん)
 ▽私ももう講談を聴き始めて随分経つのに今さらながらに、「神田一門」の宮本武蔵は「寛永」、「宝井一門」では「天正」だと初めて知る。こういう盛り上がる場が多い武芸ものだと鯉栄さんの本領発揮。気風のいい切れ味のある語り口で、気分も爽快。
 (19時32分終了)

三商講談会2018-4-10



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