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12月28日 講談協会定席@広小路亭、薬研堀・張扇供養

★★★講談協会定席 広小路亭講談会

●神田伊織 岩見重太郎 ヒヒ退治
●田辺凌天 三方ヶ原軍記
●一龍斎貞弥 浜野矩随
●神田山緑 清水次郎長伝 小政の生い立ち
●田辺一邑 安政三組盃 羽子板娘
 ◇下谷三味線堀に屋敷を構える秋田藩20万石の大名、佐竹右京太夫。年の暮れも迫った12月17日、お供の者2人を連れお忍びで浅草寺の歳の市を訪れる。境内は人人でごった返し、長い刀を差した侍3人は周囲の人たちから迷惑がられる。ついには羽子板を売る店の前で3人は身動きがとれなくなってしまった。店の者は商売の邪魔だからどいてくれと迫り、一行は仕方なくこの店で羽子板を買い求めることにする。いろいろある羽子板の中で、右京太夫が選んだのは文金高島田姿の17~18歳の娘が模られた羽子板。この娘は神田今川橋の材木商、津之国屋宗兵衛の愛嬢でお染という、今川橋小町とも呼ばれているとびきりの器量よしである。
 右京太夫は、この羽子板の娘をすっかり気に入ってしまった。毎日羽子板を見つめてはため息をする始末。恋の病にかかってしまった。
 年は明けて正月7日、柳橋の料理屋で材木商の寄合があり津之国屋宗兵衛も参席する。ここで佐竹の屋敷に出入りする萬屋の主人から、殿様が羽子板の娘に一目惚れしてしまい、この娘を屋敷に招き入れなければ出入止めにすると告げられていると話す。店に帰った宗兵衛はお染に話すと、萬屋さんが困っているならと、三年の期限で奉公に出ることになった。宗兵衛はお染を佐竹の屋敷へ連れていくが、ここで娘は大変に酒癖が悪いと打ち明ける。お染が右京太夫の側室になって3年経った。右京太夫はお染を寵愛するが、お染の方は殿様をどうしても好きになれない。
 3月3日の節句の事。右京太夫はお染を連れ立って奥方の部屋に入る。右京太夫がお染にばかり執心するので、奥方は彼女を疎ましく思っている。酒、肴が並べられ宴が催される。殿様の頼みでお染は清元を唄うが声・節とも見事な出来である。褒美にと酒の注がれた3合、5合、7合の三組盃が次々と差し出される。いつもは酒を自制しているお染だが、日頃からうっ憤が溜まっていたためかヤケクソ気味に一気に飲み干してしまう。酔いを必死にこらえるお染。奥方に仕える老女の松崎は、しょせんは町人、殿様の前で取り乱すのが怖いのだろうとからかう。怒りと酔いがこらえきれなくなったお染は盃で松崎の頭を殴りつける。さらに右京太夫に向って「バカ殿」となじり、これに怒った右京太夫はお染を斬ろうとするが、お側の者たちが何とかなだめ押し留める。松崎は町人に殴られたことを恥に思って自害してしまった。
 この騒ぎで、お染は座敷牢に閉じ込められてしまう。父、宗兵衛が娘を助け出そうとするのだがその話はまたいつの日か。
 <仲入り>
●田辺鶴遊 名医と名優
●一龍斎貞花 佐倉義民伝 惣五郎門訴
 ◇下総国佐倉藩の城代家老、堀田玄蕃はさらに高い地位を得ようと目論み、印旛沼の埋め立てを推し進めるが、当時の未熟な技術ではどうにも埋まらない。工事費はかさんで藩の財政はひっ迫し、農民に向こう5年間、年貢2割増という形で増税を強いる。これでは領内2万7千の百姓の暮らしは成り立たない。公津村の名主、木内惣五郎は他の名主6人、さらに農民数十人と共に江戸へと向かい、浅草黒船町の堀田屋敷の前で門訴する。定席家老・小島式部の取り調べに、惣五郎は十一ヶ条の願い書を差し出した。情のある式部は農民たちの窮状を知り、殿様にこの願い書をお取りいただけるよう計らうと約束した。農民たちは門訴をした甲斐があったと喜んで屋敷前を引き上げる。
 殿様の御側役である山崎は堀田玄蕃と共に圧政で農民を苦しめ私腹を肥やしている悪人である。願い書が取り上げられれば自身の立場が危うくなる。これを受け入れると以後些細な事でも百姓たちは門訴するようになると主張し、殿様である堀田正信も言いくるめられて、結局願い書は棄却された。正信は門訴した者たちを捕縛するよう奉行所に要請し、宿所にいた農民はことごとく捕られられる。その時外出していた惣五郎だけは難を逃れた。
 もうなす術がないと、惣五郎は江戸城から下城する大老、酒井雅楽頭(うたのかみ)忠清の列に飛び出し御駕籠訴する。惣五郎はお側の者に捕り押さえられたが、駕籠の中の雅楽頭の意向で惣五郎の差し出す願い書は受け取られた。十一ヶ条の願い書を見た雅楽頭は、これは農民が窮するのももっともだと、庭先に惣五郎を呼び直々に訴えを聴く。翌日、登城した雅楽頭は堀田正信を呼びつけそれとなく意見するが、正信は反発をし聞く耳を持たない。先代将軍の家光が逝去した際、正信の父親・正盛は殉死している。雅楽頭は正信を処罰はできず、これ以上意見することも出来なかった。
 このまま惣五郎を解き放てば、おそらく堀田の家の者に捕らえられ厳しい仕置きを受けるだろう。それでは惣五郎が気の毒だと、雅楽頭は上野・寛永寺の僧正・円珠に事情を話し、寺の中へ匿ってもらうことにする。将軍家でさえ一目置く寛永寺に、堀田家は手を出せない。しかし国許の百姓衆が苦しんでいる中、自分一人安全な場所にいるのを惣五郎は心苦しく思う。ある日の真夜中、惣五郎は書をしたためている。堀田家への願い書と妻子への書置きで、願い書を持参し堀田家の門前で腹を切る心づもりであった。こんな夜更けに灯りを付けて何をしているのかと円珠が問い質すと、惣五郎は自身の決心を打ち明ける。それは犬死だと押し留める円珠。円珠は将軍家綱に対し農民の困苦と嘆願とを直々に伝えると言う。さらに惣五郎が無事に村へ帰れるよう手配りをすると言う。そんなことをすれば円珠の身に危害が及びかねない。惣五郎は円珠の深い恩情に涙する。こうして惣五郎は国許へと帰るのだが、そこでの名場面はまた次回。
 (15時40分終了)

★★★薬研堀不動院・張扇供養

 午後5時30分より、東日本橋(この地名なんとかならないのか)の薬研堀不動院にて年末恒例の張扇供養(お焚き上げ)。ビルに囲まれた狭い空間で燃え盛る炎、そして僧侶の読経。密教独特の神秘なムードが周囲に漂う。そして辻講釈。口演なさったのは田辺鶴瑛先生、一龍斎貞弥さん、一龍斎貞心先生、宝井梅湯さん、一龍斎貞花先生。私はビールに焼き鳥を食しながらの観覧。講談師の皆さま、そしてファンの皆様、今年一年ご苦労様でした。

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