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12月16日 本牧新鋭講談会@御茶ノ水、きんかんよみ@広小路亭

★★★本牧新鋭講談会(13時03分開演 御茶ノ水・太陽)

 今日は山緑さんがお休みでその代わりで琴調先生が出演だと聞いていたのだが何故か山緑さんも高座に上がれることに。1席多く聴けてこれはひょっとして「お得」だったのか? 諸事情がありメモを付けにくい状況だったので、当会分のあらすじは簡略に記します。

●田辺いちか 三方ヶ原軍記
●神田山緑 鼠小僧次郎吉 伊勢屋四郎左衛門
 ◇麹町の木村の屋敷は「化け物屋敷」と呼ばれている。その屋敷の蔵の中で捕らわれの身になっている娘、お花を助け出すには20両という金が要る。平河町の伊勢屋という店が羽振りが良いとの噂を聞きつけた次郎吉は、早速夜、店に侵入した。次郎吉が上方から店の中の様子を伺っていると、伊勢屋の旦那は夜逃げをしようとしているところだった。次郎吉は事情を聞く。表向きとは裏腹にこの店には大きな借金があり、300両という金が必要だという。次郎吉は細川の屋敷に忍び込み、「睡眠の術」を使ってまんまと300両を盗み出すことに成功する。この金を伊勢屋に与えると涙を流して喜んだ。その後、追手の者に捕らえられ小塚原で晒し首になった次郎吉だが、伊勢屋はその死骸を引き取り懇ろに弔ったという。
●神田阿久鯉 村井長庵 専太郎の急死
 ◇久八はケチなことで悪評高い伊勢屋という質屋の番頭である。伊勢屋の若旦那、専太郎は小夜衣という花魁にうつつを抜かし、店の金に手を付けて、小夜衣の叔父である村井長庵に50両という金をだまし取られてしまう。忠義に篤い久八はこの罪を被って、18年間勤めた伊勢屋の店を去る。さらに50両の金を利息を付けて返済しなければならない。専太郎は久八の元を訪れ、これまでの自らの愚かさを詫び、遊興はきっぱり止める、店を相続した際は財産の半分を久八に譲ると言う。専太郎がすっかり改心したものだと久八は涙を流して喜ぶ。
 久八は叔父の六右衛門の家に厄介になり浅草紙の仕入れの仕事をしている。ある日の真夜中の事、久八が吉原土手を通りかかると頭巾をかぶった男をみかけるが、これが専太郎に良く似ている。そっと跡を追うと、茶屋で頭巾を取った男はまさに専太郎であった。「あれほど固く約束したのに」と嘆く久八。これは意見をしなければならないと、久八は大門で専太郎が現れるのをじっと待つ。遊び終えた専太郎は3人の職人体の男を連れ立って歩いている。「若旦那!」。いきなり久八は駆け寄って、専太郎の身体をギュッと掴んで激しく揺する。みるみるうちに専太郎の顔は土色になりドッと倒れ込んでしまう。専太郎は死んでしまった。元々身体が弱かった専太郎は、突然久八が目の前に現れたのに驚いて、今でいう心臓発作で死んでしまったのだ。周りのものたちは「人殺しだ」と騒ぐ。久八もこれは自分が殺したものだと思い込んでしまい、奉行所へと自訴する。さて、この先どうなるのか。分からないままこの物語は村井長庵の話へと戻る。
●田辺鶴遊 甲斐勇吉 遊吉、絵の道に進む
 ◇甲斐勇吉は日本に八重という許嫁を残し、サンフランシスコへと渡る。ここで世話を受けたのがライオンの辰五郎という男。辰五郎の紹介でホブソン邸に住み込むが、この間に柔術の達人ということで一躍名を上げる。ホブソン氏の娘、メリー嬢から求婚を受け、困った勇吉は辰五郎と相談したうえで隣町のサンノゼへと移り、バンコックさんという方の秘書になる。辰五郎の娘のお花がこの地の学校に通っており、勇吉とお花は度々一緒に出掛けるなど仲が良い。一方的にお花に心を寄せていた三五郎はこれが面白くない。子分の者たちとともに、勇吉をピストルで銃撃し、さらにナイフでめった刺しにする。重傷を負った勇吉は病院に入院する。少しずつ回復していく勇吉に、病院では退屈だろうとバンコックさんは油絵の道具一式を贈る。勇吉が絵を描いてみるとこれが実に良い出来である。著名なバレント画伯にもその才能は認められる。傷ついた身体ではもう柔術は出来ないと、勇吉は絵の道に進むことにする。退院した勇吉はバレント画伯の指導を受けメキメキと腕を上げ、展覧会に出展した絵を州知事がお買い上げになるほどにまでなる。バレント画伯の勧めで勇吉は日本へ帰国することになった。アメリカでの最後の絵を描くためヨセミテに向かうが、その途中サンフランシスコの辰五郎の家に立ち寄った。そこで辰五郎は、娘のお花を嫁にして欲しいと求める。勇吉には八重という許嫁が日本にいるのだが、そのことを辰五郎には話していなかった。
 一方、日本では八重は梅吉という名で芸者をしている。贔屓の客で外務省の役人である青木という者の相手をしている。青木は八重の持つ英語の本をふと見つけ、事情を聞くとアメリカに勇吉という許嫁がいるのでいつか会いに行きたいと思い英語の勉強をしていると言う。折よくも青木はニューヨークの総領事として赴任することになった。青木の伝手で八重もアメリカ行きの船への同乗ができた。サンフランシスコへ着いた八重はさっそく辰五郎の家へ向かう。八重とお花、2人の娘が顔を合わせることになるのだが、この話はまた次回。
●一龍斎貞橘 源平盛衰記 保元の乱(後)
 <仲入り>
●田辺一邑 徳川家康 岐阜城攻め 村越茂助使者
 ▽「村越茂助誉れの使者」は講談を聞く者にとってごくごくポピュラーな話だが、同じ主人公の同じ使者の話でこんなエピソードもあるものかと興味深く聴く。「茂助」という名前を与えられるきっかけとなったウラ話もこれまた面白い。
 ◇関ヶ原の合戦を目前に控えていた時の話。東軍の諸侯たちは続々と清洲城に集結するが、肝心の総大将である家康はなかなか江戸を出立しようとしない。諸侯らの苛立ちが高まる中、家康は自身の本意を伝えるため使者を送ることにする。使者として選ばれたのは家来の中で一番の粗忽者である村越茂助である。家康の口上を一言一句違わず覚えた茂助は清洲城へと向かう。到着した茂助が口上の反復練習をしているのを、井伊・本多両名は脇からそっと聞いている。その中に「義心をはらせ」という文言があるのに2人は驚く。これではプライドの高い諸侯たちを怒らせてしまう。2人は茂助にこの文言を変えるよう茂助に迫り、茂助はしぶしぶ了承する。ところが、諸侯たちが列席する前で茂助は家康から仰せつかった通りの口上を述べてしまう。無礼な言葉と怒る福島正則だが、加藤嘉明は「これは岐阜城を攻めろとの指示である」という。他の諸侯たちも加藤のこの説明に納得する。東軍の兵は岐阜城に攻め入ってあっという間に落城させてしまう。図らずして物事はうまく運んでしまった。しばらくして家康も清洲城へと到着し、こうして天下分け目の戦いが始まる。
●宝井琴調 赤穂義士銘々伝 赤垣源蔵徳利の別れ
 ▽この時期ならではの「赤垣源蔵」。終演後、常連の方々も「良い出来でした」と満足気。
 (16時23分終了)

171216新鋭講談会@太陽

★★★宝井琴柑講談会 きんかんよみ 民俗講談其ノ六 連続「南総里見八犬伝」第一話(上野広小路亭 18時05分開演)

 土曜日夜の上野広小路亭はギッシリ満員。真打昇進の日も近い琴柑さんは、今日から約1年をかけて曲亭馬琴の大作である「南総里見八犬伝」を5回にわたって演じる予定。序開きの部分は登場人物も多く、気を抜かずしっかり聞き込まなければならない。江戸期の戯作の代表作ともいえるこの話のあらすじをわざわざ書き留める必要もないだろうけれど、自分用の備忘録として。

●宝井琴屯 青の洞門
●宝井琴柑 南総里見八犬伝(1)序開き
 室町時代半ばの永享10年のこと。関東管領である足利持氏(もちうじ)は幕府に反旗を翻すが戦い敗れて自害する。持氏の2人の子を擁立して源氏の武将、結城氏朝(うじとも)はまたも幕府に対して反乱を起こす(結城合戦)。氏朝とともに戦った里見季基(すえもと)、義実(よしざね)父子だが、季基は息子の義実に「落ち延びて里見の家を再興せよ」と言い残して戦闘に加わり命を落とす。里見義実は、杉倉、堀内という2人の家来と共に三浦半島、矢取の浜にたどり着く。と、ここで激しい雨が突然に降り出し目の前には白竜が現れる。これは吉兆なのか。
 その頃、安房国には神余(じんよ)光弘という滝田城の城主がいた。酒や女に溺れてばかりの暗君である。光弘は玉梓(たまずさ)という絶世の美女を寵愛している。裏では家臣である山下定包 (さだかね)は玉梓と密通している。2人は謀って光弘を討ち殺し、城主の座を乗っ取る。
 一方、安房国に渡った里見義実ら3人は館山城主である安西景達(かげつら)の元を訪ね、協力をしたいと申し出る。安西景達は手始めとして軍神に供える鯉を3日の間に捕らえてくるよう言い付ける。3人は鯉を必死になって探すがどうしても見つからない。そこへ物乞い姿の男が現れ、3人にこの国には鯉はいないと教える。安西景達は落ち武者である里見義実のことを邪険に思っており、出来るはずのない用を言いつけていたのだ。この物乞い姿の男こそ、実は殺された神余光弘の家臣の金碗(かなまり)八郎であった。金碗八郎は里見義実に、主君の仇である山下定包を相手に挙兵するよう進言するが、3人ではどうしようもない。しかし山下定包の悪政に対する義憤から領内の者たちがたちまち百人以上集まり、里見義実の勢と合流して滝田城を攻める。滝田城は落城し山下定包は討ち取られた。またこの時、どさくさ紛れに館山城主の安西景達も兵を挙げ、麻呂(まろ)信時が城主である平館城を奪い取る。
 滝田城の城主となった里見義実の前に山下定包の愛妾であった玉梓が引きずり出される。命乞いする玉梓の妖艶さに里見義実は一時心を動かすが、金碗八郎に「この女を信用してはならない」と諫められる。玉梓は恐ろしい形相で「子々孫々、畜生道に追い落とす」と絶叫し、斬首される。里見義実は金碗八郎に恩賞を与え重臣として迎えようとするが、「二君に仕えることは出来ない」と言って、切腹し自害した。金碗八郎が絶命する際、彼の背後に女の姿をした人の影が立ち上る。なにやら不吉なものを感じ取る里見義実。金碗八郎の5歳になる遺児、大輔を立派な武将に育てると、命を絶った金碗八郎に里見義実は誓う。
●桂夏丸 課長の犬~昭和歌謡「高校三年生」
 <仲入り>
●宝井琴柑 南総里見八犬伝(2)伏姫と八房
 ◇里見義実が安房国に移り、滝田城の城主になって18年になる。領内では大変な飢饉に見舞われ領民は苦しんでいる。この機に乗じて隣国の安西景達が攻め入ってきた。領内がこのように困窮している中、里見義実にはどうする術もない。この時、目の前に八房(やつふさ)という犬が現れる。どうせ犬には人間の言葉は分かるまいと「もし安西景達の首を討ち取ったならば、娘の伏姫(ふせひめ)を嫁に与える」と言ってしまう。その場を離れた八房はしばらく経ってまた姿を現した。人間の生首をくわえているが、これはまさに安西景達の首である。主君を失った安西の軍は総崩れとなり、これがきっかけとなって長い間戦乱の続いた南総の国々を里見は平定することが出来た。
 この戦いの最大の功労者は八房であるが、それ以来不機嫌でやたらと伏姫に付きまとう。前の約束をそのまま信じ込んだ八房は、伏姫を嫁にしたがっているのだ。愛しい娘を犬畜生の嫁にするとは、これは伏姫の宿命なのか、あるいは玉梓の呪いか。里見義実は伏姫を嫁にする覚悟を決める。
 八房の嫁になった伏姫は里見の城を後にする。伏姫は幼い頃から「仁義礼智、忠信孝悌」と文字の浮かんだ念珠「仁義八行の玉」を肌身離さず所持していたが、ある日見るとこれが「如是畜生(にょぜちくしょう)発菩提心(はつぼだいしん)」と文字が変わっている。これは畜生(犬)の元に従って菩提になれということなのか。
 八房と伏姫は富山(とみやま)の奥深くで暮す。伏姫は読経をする毎日である。やがて八房との交わりのないまま伏姫は懐妊の兆候が出る。犬の気(け)が伏姫の腹に乗り移ったのだ。死ぬ覚悟を決めた伏姫がふと念珠を見ると「如是畜生、発菩提心」の文字が「仁義礼智、忠信孝悌」と元に戻っている。と突然、銃声が響き渡り八房そして伏姫は倒れ込んだ。鉄砲を撃ったのは金碗大輔であった。伏姫を助け出そうとここを見つけた金碗大輔だが、八房を狙った弾が思わずして伏姫にも当たってしまった。金碗大輔は死んでこの罪を詫びようとするが、そこへ里見義実が現れ押し留める。彼は不思議な夢を見てこの場へ駆けつけたのだ。「仁義礼智、忠信孝悌」と文字の浮かんだ念珠を伏姫の襟首に掛けると、不思議と伏姫は息を吹き返す。犬畜生の子を身籠った伏姫はこの深い罪の責を負って、小刀で自らの腹を真一文字に割く。するとその裂け目から白い「気」が吹きだし、その「気」に乗って念珠の8つの大きな玉が四方八方に飛び散ってどこかに消え失せる。
 これからこの玉を探して金碗大輔は長い旅に出るのだが、その話はまた次回。
 (19時59分終了)

171216bきんかんよみ@広小路亭

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